定量精神分析研究の動向

1999年に私たちが感性や定量精神分析の開発を始めたころは、「感性」という言葉に対応する英語は存在しませんでした。そこで技術の名称を、「感覚能力、感受性」を意味する"sensibility"という単語を用いて、Sensibility Technology(ST)としました。英語以外の言語では、ギリシャ語の"ethos"が「感性」に相当する言語でしたが、これを英語では正確には表現できませんでした。それが最近ではtsunamiやkaroshiのように、kanseiという日本語をそのまま英語に直した表現が、学会などで用いられるようになってきました。

日本では感性工学、人工知能など多くの分野で、このテーマについて研究が進められてきています。当社及びAGI社では、研究の初期には工学的見地からこれを扱ってきましたが、現在は社会科学、自然科学、生理学など多方面から捉えております。また研究の初期には、コンピュータが人の感情を認識する手段としての音声を研究していました。しかし最近では、心理学、認知科学、生理学、脳科学の分野から、精神医学にまで研究を進め、多角的に「人の心」を定量計測、可視化することを目指しています。

現在は生理指標と感情の比較、音声と感情の関係性の検討、さらには精神の専門家診断との比較が行われております。当社及びAGI社の現在の目標は、「心のレントゲン」としてのセンサ技術を確立することです。

現在、当社及びAGI社代表が論文、書籍で発表した「感情地図」を基として研究開発に取り組んでいます。「感情地図」は、心理学辞典などから抜き出した約4500語の感情表現を、英訳出来た限界である223のジャンルにわけ、それを円形のダイアグラムにまとめたものです。


さらに、脳内伝達物質、ホルモンなどと情動の関係を、論文調査によりマトリックスにまとめることで、その構造を明らかにしました。そうして得られた、脳と「感情地図」との関係を図示したのが下の図です。